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日本CTO協会主催 事業所見学ツアー・PASONA O2(オーツー)見学(2005年5月12日・木)



 「東京の中心から農業情報の発信基地を」。このコンセプトのもと人材派遣会社PASONAが大手町の地下2階に開設した地下農場「PASONA O2」。
 5月12日(木)、私たちはこの新しい都市空間を見学、地下で野菜を育てるという新しい農業の可能性に触れました。
 
PASONA O(オーツー)とは・・・
 

 大手人材派遣会社PASONAが、今年2月に農業を直接肌で感じることのできる就農支援のための情報発信基地として大手町に開設した農園、それが「PASONA O」です。

 しかしこの農園のあるのは、りそな銀行の金庫跡である地下2階という陽の光がまったく届かないところ。PASONA Oでは、この環境で人工照明による農作物栽培を行っています。

 地下へ通じるエレベーターを降りると、そこにはRoom1から6までの6部屋で、様々な作物が栽培されていました。


スタッフの皆さん

O2の紙上忠之館長
  Room1.白色発光ダイオードによる水耕栽培  
 

 Room1ではめだかのいる小さな池で蓮の栽培が行われていました。1日14時間、ダイオードの光を照射して蓮を育てています。

 稼動式の天井には1万個を超える白色ダイオードが設置されており、開館前・閉館後には照明を下げて、より多くの光を当てています。
 ダイオードが選ばれた理由は、 200Wという省電力で、熱を持たない光を放つため。

 また、部屋の一角には赤や青など波長の違う光をあてて発育状態を研究したり、CDの読み取りなどにも使われ、2.5Wという豆電球なみの消費電力で今以上に低コストが見込まれる、レーザーダイオードを使った発育実験も行われていました(ちなみに同じ種を使ってもレーザーを使ったほうが発育は良いとのこと)。

ダイオードの照明
 

光の色を変えての実験
  Room2.ハーブ園  
 
 部屋に入るとハーブの心地よい香りが広がります。

 Room2ではハーブを栽培。Room1とは異なり、この部屋では白色ダイオードではなく「メタルハライドランプ」を使用。
 ハーブはその成長において青色光を必要とします。そのため、放射スペクトルに青色光を多く含むメタルハライドランプを採用しているそうです。

 十分に照らされた室内で、ラベンダーやローズマリーなど、様々なハーブが非常によい状態で発育していました。

地下で育ったローズマリー
       
  Room3.たな田  
   2月に植えた稲が、5月だというのにすでに黄金色に色づいています。こちらの部屋は、収穫前の稲の香りが部屋いっぱいに漂っています。

 こちらでの稲作は1回目ということもあり、試行錯誤を繰り返しながらの栽培ということですが、地下にもかかわらず年3回の収穫が可能とのこと。

 写真からも見て分かるとおり、こちらではメタルハイライドランプと高圧ナトリウムランプという2種類の照明を採用しています。メタルハイドライトは太陽光に近い光を照射、高圧ナトリウムランプは寿命が長く効率的であることがその選ばれた理由。こちらも一日14時間の照射で稲を栽培しています。


2種類の照明を採用
       
  Room4.トマトの栽培  
   水耕栽培(土を使わず、栄養分を溶かした溶液だけで栽培する方法)で育てられた彩りも鮮やかなトマト。

 畑で見かけるのは背丈にも満たない高さのトマトですが、こちらでは非常に大きく発育しています。水耕栽培の利点は、栄養の条件を常に最適に保つことにより、自然の状態よりも早く、また大きく育てる事ができること。

 実際、発育が非常に良いため、葉が天井からの光をさえぎってしまったそうです。そのため部屋の壁面をアルミ箔で覆うことで光を乱反射、隅々まで光が当たるようになっています。

 将来的にはメロンやイチジクなども育てる予定があるとのことでした。

都会で採れる完熟トマト
       
  Room5.高付加価値野菜の栽培  
   こちらでは壬生菜やみず菜など、付加価値の高い京野菜を中心に栽培されていました。Room6の育苗室で水耕栽培によって育てられた苗を、この部屋で土に移しかえて栽培しているとのこと。

 実はこの部屋、多少薄暗くなっています。
 これは、PASONA Oを開設した場所が、もともと照明をあまり必要としない金庫室であったため全部の部屋を十分に照らすには電源が足りないという事情があるそうです。

 少し光量が足りないため、植物のなかには天井に近づいてより多くの光を浴びようと、腰高になっている作物もありました。

 

少し腰高な野菜
       
  Room6.育苗室  
   天候などの自然条件に左右されない、最適な環境に調節された部屋のなかで苗が発芽しています。

 人工的に環境をコントロールし、突発的な阻害要因を極力排除することによって、常に安定した作物の供給が可能になりました。こちらの部屋の照明には蛍光灯が使われています。

 ここで栽培された無農薬で清潔な野菜は、新鮮なまま社内のカフェテリアで提供されています。

サラダ菜の苗
       
  見学を終えて  
 

 PASONAでは、「O2」はあくまでも都会における就農支援のための「情報発信基地」として位置づけており、本格的な生産は現時点では考えていないとのことでしたが、その存在は海外からも注目を集めています。

 地下で人工照明を使って農作物を栽培するという、今までは考えられなかった農業の新しい形を今回の見学を通して垣間見ることができました。


新鮮で歯ごたえのある
サラダ菜
       
 
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