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欧米で積極的に取り入れられる「MOT」
 日本において、まだ馴染みが薄い”コトバ”ですが、「MOT」とは工学版MBAとも呼ばれ、90年代の米国の経済復興の原動力になったとさえいわれており、専門家の間では低迷する日本製造業を立て直す斬新な生産・経営管理システムとして、急速に注目をされております。その修学課程の中では、開発した技術の事業化や、技術開発を中核とした企業の経営・運営を学び、起業再生に必要な項目で構成されています。
   
技術開発のプロセス
 技術開発のプロセスを3つの段階に分けるとすると、それは大きく「発明」「新製品化」「商品化」に分けられます。
 日本の現状を振り返ってみると、「発明」段階は世界1位と言われる米国に大きく差を開けられているとはいえ、いまだに世界第2位の座を守っています。また、「商品化」段階においてはTQCやJIT、カンバン方式など日本製造業の効率化、製品の改良技術はまさにお家芸として海外からの評価が非常に高い分野です。
 
日本経済低迷の一因
 日本の現在の長い不況の原因として考えられているものの一つに、かつて「技術大国」として他国の追随を許さなかった日本製造業の低迷があげられます。
しかし、いまなお技術開発の優れた日本製造業にいったい何が足りないというのでしょうか?
 ここにスイス・IMD(International Institute for Management Development)発行の、興味深いデータがあります(右図参照)。グラフを見ても分かるとおり、日本の技術・研究開発力の高順位に比べ、開発技術を事業化する「マネジメント水準」は少しづつ順位を下げ、結果として国際競争力が確実に低下しています(IMDによると日本の国際競争力は01年には26位、02年には30位にまで下降)。 技術開発3つのプロセスのうち、「新製品化」段階の立ち遅れが、実は日本製造業の低迷の大きな一因として、ここ最近クローズアップされはじめてきたのです。
 そのため、経済産業省は2002年より、技術と経営の両面に強い人材育成を目標としてかかげました。
その育成の方法として注目されたのが「MOT」なのです。
日本での「MOT」の導入
「人材育成へ大学院続々」
2002年12月4日(水)日本経済新聞・夕刊より
 また、産学協同で2002年の東北大学・大学院における「MOT」課程の新設を皮切りに早稲田大学、芝浦工業大学ほか多数の大学で「MOT」の大学院が新設されつつあります。このように日本国内における技術・経営両面に強い人間の需要は日に日に高まりつつあります。
 そして、この「MOT」の中核にある考え方が「POM」(生産・オペレーション管理)なのです。
 
「POM」導入のメリット
 なぜ米国をはじめとした海外の多数の有名・優良企業が「POM」を導入するのでしょうか?
 まず、それまであまりにも企業の各分野が分業化・専業化しすぎて全体を把握している要員がいないという現象が各々の企業で問題として出てきたこと。
 それに経営の技術や知識を中心とした企業戦略の立案では実行力に欠け、技術開発分野を今まで以上に経営に反映させる事により合理的な企業運営が図れるということに気づき始めたからです。
 
「POM」と「経営工学」
 米国で発展した「POM」は、日本の「経営工学」と非常に類似しています。その歴史的経緯からしても、二つは、ほぼ同じと考えてもよいでしょう。そこで日本CTO協会では「POM」を「経営工学」をより進化・発展したものと捉え、これを元に日本が培ってきた「経営工学」を織り交ぜ、さらにITの活用、ISO規格、R&Dを導入して「日本型POM」としてご紹介していきたいと思います。
 
「POM」の特徴
 POMの特徴のひとつは、その基本的な考え方である”There is always a better way”(「いつでも、どこでも、必ずもっとよい方法がある」)という信念の上に立脚している点です。最先端の技術を集めて問題を解決するのではなく、問題の本質を鋭く捉え、今まで先人たちの蓄えてきた知識・手法を応用して自らの力で問題を解決する、その力を身に付けることに重点をおいています。
その応用力を身につけるには、原理原則の十分な理解が必要となり、そのポイントを押さえておけばあらゆる場面に役立つものと考えます。
 
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