日本CTO協会
 ごあいさつ
 協会概要

 技術経営
 MOT・POMとは
 よくある質問
 情報データベース

 認定試験
 資格概要
 資格取得条件
 試験日程

 協会・イベント
 イベントスケジュール
 イベント活動報告

 リスクマネジャーからみたMOTの必要性  
 
株式会社 住化技術情報センター・情報技術グループ 岡紀子
     
 

 私はリスクマネジメントを勉強しているが、企業でリスクマネジャーとして働いているわけではなく、化学企業の情報部門として研究者への技術情報提供サービスを行っている。ではなぜリスクマネジメントを勉強したのか? リスクマネジメントは単に保険の発展形ではなく、全ての企業社会において潜在的あるいは将来に発生する可能性のあるあらゆる課題と効果を事前に予測し、その被害であるとか価値を試算することによって企業経営の損失を最小化することだと学んだ。つまりこれは企業の意思決定さらに企業戦略そのものであるということが大変興味深い。企業における情報部門は、国内ではいまだ単なる支援部門に見られがちであるが、私自身は情報部門こそが企業戦略に関与する重要な情報を扱えると考えているので、リスクマネジメントの考え方を取り入れることにより現業務をクリエイトできると思った。

 さて最近MOTという言葉が話題になっている。なぜ今MOT教育が叫ばれているのか? リスクマネジャーとしては、MOTをどう取り込むべきかを一緒に考えてみようと思う。MOT(Management of Technology=技術経営)とは、「企業のバリューチェーンにおける技術課題を体系的に解決すること」と定義され、MOTの究極の目的は「技術投資の費用対効果を最大化すること」である。このままでは少し理解しにくい。要するに、最先端技術の商品化、事業化、生産管理の技術革新など、技術をビジネスとしてマネジメントできる能力のことで、MOTを達成できる人材つまり技術経営幹部(CTO、COO、CFOなどの)候補となる深い技術への理解をもった戦略的リーダーやイノベータの養成が大変強く望まれているのである。

MOT教育のプログラムはリスクマネジメントのそれとどう違うのかというと、技術戦略、ナレッジマネジメント、グローバリゼーション、マ−ケティング、ファイナンスなど、実は大変共通する部分が多い。MOTを達成するためには、企業のバリューチェーンのどの段階においてもリスクマネジメントが十分に発揮される必要がある。リスクマネジャーは私のような企業の一員の場合、自らの目的業務をリスクマネジメントの視点からコストパーフォマンス向上を目指し努力している。今望まれているMOT人材とはこれをさらに進め、企業の全バリューチェーンにおけるリスクを体系的にマネジメントする企業経営幹部つまりCROということになるだろう。CROはハイリスク事業の企画などで大いにリスクマネジメント能力を発揮し、まさに今国中が求めている戦略的リーダーとして活躍できる人材ある。

既に世界には170の大学にMOTカリキュラムがあるが、国内では昨年から早稲田大学にて始まったばかりである。その後相次いで全国で50近くのプログラムが開始されるとことが公表された。国内ではこれからが勝負である。また大学ばかりでなく一般機関のMOTプログラムなど、将来の起業家はもちろん企業の実践部隊にいる社会人向けに開講されていることがなにより魅力である。当然企業内研修コースにも導入される傾向にあり、まさに門戸は一挙に開かれつつある。私はMOTがこれからの企業人にとって企業経営の視点に立って技術革新を行うために必要な知識・能力であると考えている。

 

 
 
 
  岡紀子プロフィール
住友化学工業株式会社で情報部門を担当、2003年度から、株式会社 住化技術情報センターが同社の情報部門を受託することになり、引き続き勤務。
情報科学技術協会理事をつとめ、西日本委員会のメンバーとして技術情報の流通のために努力している。
 
 
Copyright(C)2003Japan Association for Chief Technology Officer,Tokyo,Japan.